差し込む朝陽に気がつき、目が覚める。体を起こして伸びをすると、節々が軋んだ。少し、体が重い。
真夜中に水浴びをして、体をよく拭かずに寝床へと戻った。原因は多分それ。ふと腕をさする。自分でも感じる冷たい肌。
 
傍らには、微かな寝息を立てて眠るマリク。
誰のせいで真夜中に水浴びをしなくちゃならないのかを、起こして問い糾したくなる。だけれど、その幸せそうな寝顔に思い留まる。
それならば…と、マリクの懐へと潜り込んだ。
 
「…ん……?」
冷たいものが擦り寄ってきた。一瞬意識は覚めたが、未だ眠い。目を閉じたまま、それを片腕で包み込んだ。
冷たい肌は徐々に温まり、同じ温度になる。
その暖かさに、アルタイルは再び目を閉じた。
 
END.
 

 
起きるかな?起こしてやる!と思って懐に潜り込んだものの、まんまと懐柔されたアルタイル。